SSブログ
1000nice記念、全リヴ種×スイーツ(軽食)コラボ企画始動!!
詳しくはこちら
次のコラボ募集はトビネでございます!コラボ案はこちらから

毎月一枚ナイス拉致♪
詳しく&ナイスはこちら

リヴリーオリジナル小話3 [小話]

ぽちぽち打ってたらまた小話が出来ましたので、あげます(汗



今回は前回、前々回よりは短く、まだ軽ーく読めます。
お暇なときにでも^^
興味ある方は追記からどうぞ♪


なんか最初、小話を書き始めのときとは意図せずに続き物になってきてる…^^;;;;
しかも長くなりそうな嫌な予感が…w

ま、まぁなるようになる、よね?w


3.夢想






少女はゆっくりとした所作で机に向かっていた。
足取りはことのほか慎重で。
物音を立てると、机の上のものが逃げてしまうんじゃないかと思っているような、そんな動きだった。
両腕を静かに上げ、そっと机に這わす。
少女は呼吸をすっかり忘れていた。
途中で苦しくなって、深呼吸を三回。
息を呑んでから、手をさらに奥へ移動させた。
そこには大きめの箱。
白の塗装が塗られた木箱であった。
箱にはちょっと気取った字体で何か書いてある。

「…リヴリー、アイランド!」

震える唇で書かれた文字を正確に読み上げた。高鳴る心臓が耳の裏側にくっついているような、不思議な感覚。
少女は箱の上蓋をことさら慎重に、ゆっくりゆっくりずらしていく。
やがて蓋は完全に箱から離れ、箱内部に外気が進入することを許してしまった。
処女ははやる気持ちを押さえつけるために、両親から言われた約束事を何回も頭の中で繰り返した。

(最初は驚かせてはダメ。いきなり箱を全部とってはダメ。優しく、付けた名前を呼んであげること)

五回くらい唱えてから、持った蓋を床にそろそろ置いた。
そして、一度目を閉じてから暗がりになっている箱の中を覗き込んだ。
中には小さい丘のミニチュアが一つ、その横には簡易育成キットがテープで止められている。
キットの箱のさらに横に、一番小さな箱があった。
少女はそれを優しく取り出すと、机の上に置く。そして自分はその場で膝立ちになり、目線を机と同じくらいにした。
置かれた箱。箱の表面にはまたも気取った字体でこう書かれていた。


アメノヒグラシ


リヴリーアイランドと書かれた木箱とは対照的に、この小さな箱はメタリックで近代的な空気を纏っている。
前面灰色で、手に持ったとき思ったよりは重たかった。
一つだけある赤いボタン。
それを丁寧に押し、少女は待った。
数分後、ピー、というなんとも機械的な音ともに箱の側面が微かに振動した。
上部がシャッ、とスライドし箱全体がゆっくり持ち上がる。
そこには液体の満たされた小瓶のようなものの中に入った、不思議な生き物が眠っていたのだ。



※※※※



「おいで、エリー。ご飯の時間だよ」

少女の声は慈愛で溢れていた。
手に持った小皿にはリヴリー用に開発された虫型の餌が盛られている。
真昼の暖かな陽の光と爽やかな風が入る、この少女の部屋には少女以外にも住人がいた。
最初のキットに入っていた小さな丘のミニチュアではなく、薄く水の小さな張った池から小さな蓮の葉が飛び出ているミニチュアが机の上に展開してあった。
そこには水の中に身を沈めて、ウトウトしている生き物がいた。
リヴリーの中で、アメノヒグラシという種類の生き物である。
通心能力という、他のペットにはない独特な力を持つ生き物であるリヴリー。
その能力は飼い主の人間と直接、意思疎通が出来るとても素晴らしい能力であった。
リヴリーを専用端末に繋ぐことで、他のユーザーの所へ散歩させることも出来るし、ネット空間にはリヴリーと通心しリヴリーの体を借りた飼い主たちのコミュニケーションの場、パークも豊富に用意されていた。
面倒な世話は必要でなく、糞は綺麗な宝石なので汚らしくない。
少し不気味で、でも可愛らしいこの不思議な生き物が人間の生活の中に浸透するのはとても簡単なことだった。

「エリーの体、あと少しで綺麗なオレンジ色になるね」

少女の声に反応してか、水から上がったエリーと呼ばれたアメノヒグラシは目を細めて頷いてみせた。
少女が餌の虫をエリーの目の前に一つずつ置いてやるとそれを順番に平らげていく。
大きく口を開けて、びよんと伸ばした舌で虫を絡めとり一息に飲み込む。
開け放たれた窓から時折入り込む軟派な風が、少女のロングヘアーを触っていった。さらさらと流れる黒髪はとても美しく、エリーは餌を頬張るのやめ、その光景に見入っていた。
それに気が付いた少女は決まって、エリーの元に自分の髪を一房近づけて鼻をくすぐるのだ。
思わずくしゃみをするエリーに、少女は鈴のような笑い声を上げる。
緩やかな時間が流れる休日、この幸せなひと時が少女にとってなにより大切なものだった。
学校のあった日の夜、寝る間際はよくエリーを枕元に招き幼い頃好きだった絵本を読み聞かせた。
当のエリーは鮮やかな絵がたくさん描かれた絵本の上にぴょん、と乗りページの下にもぐりこむ遊びの方が好きだったようだけど。
小雨の降る日はエリーを肩に乗せて外にでた。
最初の頃は危なっかしく肩にのっていたけれど、最近はコツを掴んだようで自分から少女の肩に駆け上がるエリーだった。
傘を指さずに家の前をゆっくり歩く。
黄色の合羽を着た少女は近くの公園まで足を伸ばすこともあった。
塗れた地面にエリーを下ろし、土をこねくり回すエリーをベンチにて眺めた。時は一緒になって泥んこ遊びに夢中になり、母親に怒られるほどどろどろになって帰ったときもあった。
勉強で行き詰ると、エリーと共にネット空間へ飛び出すことも。
エリーの体を借りて、いろんなパークに遊びにいった。
たまにモンスターの出る場所まで入り込んで、命からがら逃げ出すこともあった。
エリーは少女の意識と自分の意識を同調させてその小旅行を楽しんだ。

このままずっと、ずーっと、エリーと一緒にいよう。

少女は本当に、心からエリーを愛していた。
両親から誕生日プレゼントにもらったのが運命だったのだ。
少女はまだ幼かった。だから、この生活が不変なものであると信じて疑わなかったのだ。

「エリー、私の可愛い蛙ちゃん」



※※※※



気が付くと、もう夜空は白み始めていた。
魔法の焚き火の向こう側で寝ていたはずのあいつはいなかった。
きっと私より早く起きて泉の方へでも行ったんだろう。
起き上がって初めて、自分が泣いていることに気が付いた。
大きな眼からこぼれた涙が地面を濡らしていたのだ。口もちょっとしょっぱい。
慌てて地面を足で擦り、そのあとを消す。
あいつに見つかったら、また変にからかわれるだろうし。
目元もきっと腫れていることだろう。

「起きたのかねぼすけ娘」

はっと振り返ると、あいつがいた。
私の顔をまじまじとみて、それから眉を少しひそめた。

「…な、なによ」

「ちゃんと洗って来いよ、みっともねぇ」

素っ気無くそう返されて、返答に困ってしまった。
なによ、なによ。もうちょっと気の利くことくらい言いなさいよ、それが出来ないならからかわれた方がマシかもしれない。
私はなるべくあいつの方を見ないようにして、立ち上がった。
泉は確かこの茂みの向こう側。

「エリー」

そう呼ばれて、あいつの方を振り返る。

「あ…っと、その、な…な、泣くんじゃねぇよな!…俺がこま…るし?」

こいつ…!

「ほんっとぉーに、あんたは気が利かないねぇ…っ!ああもう!気の利いた言葉が思いつかないんなら何にも言わない方がいいってわかんないわけ!?ほんと、馬鹿。ばーか!ばかばかばかばか!大馬鹿よ!」

乙女の美しい涙が引っ込んじゃったじゃない!と付け加えて、私はわざと音を立てて茂みを掻き分けた。
呆気にとられて反論出来ないくらいじゃ、まだまだね。
泉の淵までやってきて、水の中を覗き込む。
目元が少し赤いかな。でも元々体の色は綺麗なオレンジだもの、そんなには目立たないかも。
揺らめく水面の中では、ぎこちなく笑顔を作ってみせるアメノヒグラシがいた。
もう、大丈夫。私は平気。
あの楽しかった思い出をもう一度取り戻すためなら、何でもするって決めたじゃない。ここでめそめそしてるんじゃないわよ、エリー!
ざばっと顔を水の中に入れて、出してからぶるぶると何回も横に振った。
水滴がぽちゃぽちゃと音を立てて落ちていく。
私は小声で「よしっ」と気合を入れると、あいつの元に戻るため来た道を引き返す。


私は、私の力で取り戻すのよ。あの、優しい日々を!













ようやっと、小話の合間に出てきてた人たちの姿が見えてきましたねw

幼い声ことエリーさんは体の小さい、アメノヒグラシです。(ほんと、私はアメヒグ好きだなぁwww)


そして私の、リヴリーがこんなだったらいいなぁ、という願望がお話の設定にありありと出ています^^;

本当にリヴリーがいたらこんな感じに飼うのかなぁと思いながら書きましたが、みなさんはどうでしょう?
でも正直、あんなに小さな生き物だと小さすぎて飼うの怖いですねw
細心の注意をしなければすぐ怪我してしまいそうです^^;


これから、他リヴのストーリーの合間にこの二人の旅(?)の目的とか明らかになってくるんだろうか…自分でかいときながらこんなこと言うのなんだけど(汗

…やっぱり思いつきはダメだ!w

これからも頑張ります…なんとか、頑張ります…w








またもおこがましく感想お待ちしております(逃っ






nice!(11)  コメント(0) 
共通テーマ:LivlyIsland

nice! 11

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。